大学の広報戦略として「次年度の大学生の受験数を増加させるにはどうするべきか?」というのは非常に重要な課題です。
アピールするための場所、内容、時期、予算のかけ方。そして一番大事な「誰に向けて」という要素。
これらは一見単純なようで、広告のプロでも見誤ることもある重大な要素であるとも言えます。
そして少子化により、慢性的な減少傾向にある入学希望者数をどう確保していくかは今後の大学の生き残りを見据えるためにとても重要な視点です。
こちらの記事ではそんな大きな学習機能を果たす大学の広報は入学希望者の増加に向けて今後どういった周知活動を行っていくべきかについて、基本と仮説からわかりやすく解説をします。
大学広報が意識すべきこと
大学広報は学内、または学外からのアプローチに様々な役割を担っています。
しかし、入学してくる若者を増やすということが最重要項目であることに疑いの余地はありません。
まず入学希望者を増やす、確保する。その為に実現できることを短期・中期・長期に分けて行っていくということを意識して分類することが大切です。
例えば下記のような例はいずれも重要ですが、最終的に入学希望者を引き上げることにどのような時間軸で結びつくかはそれぞれバラバラです。
- 授業の評判
- 教員の評判
- 学部の評判
- 有名人の入学
- キャンパスの利便性
- キャンパスの美しさ、清潔さ
- 名物ゼミの誕生と長期運用
- 有名企業への就職
- OB・OGからの良い評判
例えば有名人の入学報道には短期的な入学希望者の上昇が見込まれますが、当然その有名人は卒業して居なくなってしまうため持続性はありません。
逆に、有名企業への就職実績が何かしらの手段で発信することができれば、初年度の反応は少ないものの積み上げて長期的に発信し続けることで「あの大学と言えばここへの就職が強い」という集団認知が広がり、それは薄まりづらいとても貴重な財産となります。
重要なのはその広報を打つことで、どの層にどのようにアプローチできるか。そして、それは短期~長期のどこを狙った戦略になっているかを整理することです。
入学希望者を増やすための戦略とは
一口に入学希望者を増やすと言っても「どういった手法で?」ということが非常に重要です。
そこでロジックツリーのような手法で「入学希望者を増やす」という発想から分けていきましょう。
1.入学希望者を増やす
-大学を多くの人に知ってもらう
2.大学を多くの人に知ってもらう
-学外に向けて広告を打つ
-アピール用のアカウントを作成し定期的に発信を行う
3-1.学外に向けて広告を打つ
-誰に、何を、どのように、どのようなタイミングで、発信するかを決める
-予算と配分を決める
-地域を考慮するかを決める
3-2.アピール用のアカウントを作成し定期的に発信を行う
-誰に、何を、どのように、どのようなタイミングで、発信するかを決める
-更新頻度を決める
-炎上リスクマネジメントの為品質管理項目を決める
これらは一例となりますがこの様に具体の深度を深めていくことで、必要な戦略を策定することができます。
誰にアプローチするべきか
入学希望者を増やすうえで、どこにどのような広報戦略をとるかというのは非常に大事ですが、それと同じくらい大事なのが「誰にアプローチするべきか」という点です。
項目上は大きく2つあり「本人」と「親」です。
入学希望者へのアプローチ
「本人」は当然学生本人となります。
今後のどのような分野を学習し、どのような業界に就職しどのように人生を送るのか。
これらが決まっている生徒(学生)は当然少ないですが、これらを想起させるような広報を打つことができれば、学生はそのジャンルに興味を持ち学校に興味を持ってくれるかもしれません。
親権者へのアプローチ
「親」は実際は本人以上に重要となる可能性があります。
まず、教育環境や興味を与える上で家庭の情報は避けて通れないファクターであり、家庭観の価値観がそのまま入学希望先に反映される可能性がある為です。
「あそこの学校は評判がいいらしい」という会話があれば、それにつれてその学校の情報が入るようになります。
話題に挙げてもらうことで、カラーバス効果を誘発できるのです。
また、基本的に学費の負担は親元となるので、受験の年齢が近づくにつれて各大学の情報を集めるようになります。
こういった生活背景の観点からも、学生本人とその親御様へのアプローチは非常に重要と言えます。
また、女子の親御様が気になる下記項目もPRの重要な項目と言えます。
- 寮の確保
- 安全性の確保
- 見通しの良さ
- 明るい道
こういった情報は特にアプローチ対象によって発信量を変えることが重要です。
効果的な大学広報の戦略とは
大学広報の戦略は、大学のブランドイメージを高め、学生の募集や資金調達を助けるための重要な要素です。効果的な戦略を立てるためには、以下の要素を考慮してみましょう。
1. デジタルマーケティングの活用
現代の学生はデジタルネイティブであり、情報を得るためにインターネットを頻繁に利用します。そのため、大学広報の戦略にはデジタルマーケティングが不可欠です。
ウェブサイトのSEO、SNSの活用など積極的に学生本人に届く手法を駆使してアピールしましょう。
2. ストーリーテリング
大学の魅力を伝えるためには、ただ事実を並べるだけではなく、感情を揺さぶるストーリーテリングが有効です。
学生や教員の成功ストーリー、対談形式のエピソード記事、大学の歴史や伝統、地域との関わりなどを通じて、大学の個性と価値を伝えることができます。
具体的なエピソードを付与することで、読み手はその場所に対しイメージが組み立てられるようになります。
3. ターゲットオーディエンスの理解
広報活動は、そのメッセージがターゲットオーディエンスに響くように設計されていなければなりません。
前述した通り、その為には対象の興味や関心、情報を得るための媒体などを理解することが重要です。
大枠のセグメント設計や具体的なペルソナ設計を行いターゲットの欲する情報を整理するようにしましょう。
4. データ分析
配信した広報活動の効果を測定し、改善するためにはデータ分析が必要です。
大学サイトの訪問者数や滞在時間、SNSのエンゲージメント数などを分析し、戦略を見直すことで、より効果的な広報活動を行うことができます。
目的を持ったPDCAを行うことで次の活動への時間短縮や資金の集中も行えます。
これらの行動は専門家にアドバイスをもらうことで、よりスムーズに進めることができます。
特に有料広告を配信する場合は細かい調節が不可欠になりますので事前にどの程度の広報活動になるかは予算を検討しておくといいでしょう。
大学選びの変遷
1990年代から2020年代まで、受験者数というのは7%程度の減少をたどっています。
一方現役合格率は20%弱から50%程度と急成長を見せており、現役生がいかに重要かという比率が如実に変わってきています。
1990年代には進路相談担当情報をもらう、オープンキャンパスにいって直接紙媒体でもらう、古くは「螢雪時代」のような媒体から情報を得たりもしました。
しかしコロナ禍を経たことにより情報の感度がオープンキャンパスなどのリアル訪問から、インターネット媒体への変化をたどっており、広報活動においても電子化は逃れることのできない大きな課題となっています。
現在ではリモートのオープンキャンパスが実施されたことなどもあり、そもそもの情報取得に対する考え方が、受け取る側でも変化しているということが見て取れます。
できるだけ多くの露出を作る
学び舎は特に一日の時間を多く過ごす場所であり、選ぶ場合それらに不満や不安があってはいけません。
そのためにはまず「知ってもらうこと」です。
「認知」→「興味」→「エピソード」
といったようなプロセスを経ることで、より具体的なキャンパスライフを想像してもらうことができるようになります。
認知は広告やSNSでの広報活動。
興味はその広報活動のキャッチコピーや中身。
そして、広告のクリック先に具体的なエピソードを設置することで、ターゲットの興味により深く切り込みます。
また、何度もアプローチを行うことで単純接触効果による好感度上昇や、潜在層から興味関心層までの引き上げを行うことができます。
このように、単純に「集客」に近いと思われる「入学希望者の増加」ですがそれを達成するには様々な要因とプロセスがか関わってきます。
時に蓄積したノウハウを駆使したり。
時に在校生に意見を聞いたり。
また、専門家に相談するなど、いずれも必要なプロセスとなります。
現在の流行は何か、若年層はどの様に情報を得ているのか、同じように親権者層は何を基に情報を得ているのか。
これらの情報アクセス鮮度を常に最新に保っておきましょう。
投稿者プロフィール
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美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。
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