教えて!偉い人!【女子大生の社長訪問日記】
コロナの影響で、大学は2年間ほとんどオンライン、小学校から高校も時差投稿やできる限りリモート授業などが広まり、学校に必ずしも行く必要が無いことに多くの人が気づいてしまいました。
それに加えてYouTubeでは教師ではなくとも、何かの道に長けた人たちがこぞって授業を配信しています。
勉強がしたいだけならば自宅学習のみでも十分に大学受験を突破できる環境は整ってきています。
そうなったときに学校の存在意義とは何なのでしょうか?
今後学校はどのように変わっていくのでしょうか?
このシリーズでは現役就活生の私が現役社長の方々を訪問し、インタビュー形式で社長さんの人生やキャリアの選択方法について語っていただきました。
働き方改革と緊急事態宣言で変わったことはなんですか?
今後の就活生はどこを見て会社を選んだらいいの?
今世紀最大の就活氷河期を生き抜いた私が聞きたかったことをズバズバ聞いてきました。
就活生の皆様、ぜひ参考にしてみてください。
編集担当:たまご
インタビュー日時:2021年10月
自分の人生を自分で決めた経験が人を幸せにする
今回インタビューさせていただいたのは教育クリエイター鈴木健太郎さんです。
六本木のクラブを貸し切って数学イベントを開催したり、さいたまスーパーアリーナでイベントを開催したり、最新の事業では北海道に小中学校を建設中です。
『学校』の本質とはなんなのか、今後『学校』はどのように変化していくのか、日本の今の子どもたちが抱えている根本的な問題とはなんなのかについて教えていただきました!
みんなが気軽に使える肩書『教育クリエイター』
たまご:鈴木さんは教育クリエイターということですが、この肩書は鈴木さんが作った肩書なんですよね。
鈴木さん:教育に関わりたい人って実はいっぱいいるんですけど、『教育者』と名乗るのはハードルが高いし、『先生』とか『教師』も違うしなぁみたいのがあって、気軽に教育に関わる時に使える肩書がなかったので、誰もが教育に関わりやすくなればいいなと思って教育クリエイターという肩書を名乗ってます。なので色んな人に使ってほしいです。
たまご:鈴木さんの略歴を簡単に教えて下さい。
鈴木さん:理系の大学を卒業したあと大学院に進学しましたが、途中で友達と起業をすることを決めて大学院を中退し、その後、チームラボに入社しました。チームラボで7年間働いたあとに独立して現在は教育クリエイターとしてフリーランスで活動しています。
たまご:もともとチームラボにいらっしゃったんですね。教育クリエイターとは主にどのような仕事をされているのでしょうか?
鈴木さん:友人や仕事仲間などからの紹介や相談を、プロジェクト化、事業化することが多いです。結果的に教育系の企画立案・事業立ち上げがメインになっています。
鈴木さん:たとえば六本木のクラブで数学好きの人が好きな数学をプレゼンする『ロマンティック数学ナイト』を開催したり、さいたまスーパーアリーナで教育クリエイターのフェスを開催したり、コロナ禍では教育系YouTuberや教師の方々、学生さんをオンライン上で集めて『これからのみんなの授業展』を開催しました。視聴者数は総数5000人を超えてましたね。
たまご:すごい規模ですね。パリピのたまり場で数学プレゼン大会というのも面白い発想ですね。さいたまスーパーアリーナでイベントというのもアイドルのライブ規模じゃないですか!
鈴木さん:今後は東京ドームでもイベントをしてみたいなと構想しています。
たまご:すごく楽しみです!!
たまご:ではお仕事は主に相談に来た方々への教育領域でのコンサルティングという形なのですね。
鈴木さん:結果的にそうなってますが、堅苦しくビジネスモデルを決めていたり、お金になるかならないかというのはあまり考えていないです。
鈴木さん:もちろん教育クリエイターを仕事として名乗っているわけですから、半分くらいはきちんとお金を報酬としていただく仕事をしていますが、僕に相談に来る人達は必ずしも報酬のことまで考えて相談に来ているわけではありません。
鈴木さん:そのため面白そうだなと思えることであれば、お金関係無しに一緒にやってます。そもそもアドバイスをするにしても僕がやりたい内容しか提案しないので、僕がやりたいことをやらせてもらうって感覚ですね。
ビジネスを経験してから教師の道に進みたい
たまご:次にご本人が就活をしていたときのエピソードを聞かせてください。
鈴木さん:就活していた時の仲間と起業してたんですけど、その際に大学院を中退したんですよね。実質、無職みたいなものなのですが。起業している最中にクライアントとして出会ったのがチームラボで、大学院は中退してましたが新卒一期として採用されました。
鈴木さん:昔話ですが、その時のチームラボの選考では、履歴書もエントリーシートも書かず、提出せず、説明会から最終面接まで全て家に忘れましたで通して内定をもらいました。絶対に真似しない方がいいです(笑)
たまご:ツッコミどころが満載なんですが…(笑)まず、大学の時は将来どんなことをしたいと考えていましたか?
鈴木さん:大学入学したところから話すと、どこの大学に行きたいとかなくて。理系が得意だったので理系の大学に入って、当時の僕は大学卒業後の進路って、『サラリーマン』『公務員』『自営業』『教師』の4つのカテゴリーだけだと思ってたんです。
たまご:公務員と教師が別だったんですね(笑)
鈴木さん:そうなんです。公務員というのは市役所とかをイメージしていて。たまたま入った大学に教職課程があったんです。
たまご:たまたま(笑)
鈴木さん:それで昔から学校が好きだったし、人にものを教えるのも好きだったので、将来は教師になろうと思っていました。就活の時期に進路を考えて、教師になるならもっと研究とかして勉強したほうがいいかなと思って大学院に進学することを決めたんです。
たまご:大学院での研究ってなると大学教授とかになるイメージです。
鈴木さん:大学院でもまた就活の時期が来ますよね。そこで教師になるならその前に一回社会に出てビジネスを経験した方がいいんじゃないかなと思って普通の企業の就活をしたんです。
鈴木さん:一回ビジネスを体験したあとでそれでも教育がやりたかったらきっと教育の道に戻ってくるだろうなと思ったし、もし戻ってこないでビジネスの方が楽しいと思ってしまったら、教育にはそこまで興味が無かったということだろうと思っていました。
たまご:なるほど。学校の先生は社会に出たことがないからビジネスの仕組みは教えられないとも言いますもんね。
鈴木さん:それで普通に就活して大手の研究職の内定をもらったり、人材教育系のベンチャーの内定ももらってました。そのベンチャーのメンバーがすごく面白いメンバーだったんです。さらに内定者課題としてそのメンバーで起業をしろという課題が出たんです。
たまご:内定者課題にしては難易度高いですね…。
鈴木さん:人材系の会社を起業したんですけど、その起業した会社のクライアントにチームラボがいたんです。
たまご:そこでチームラボと出会ったんですね。
鈴木さん:友達がチームラボのオフィス見学を取り付けて一緒に行かないかと誘ってくれたので、オフィス見学に行って。そしたら面白くて説明会や面接全部行きました。
たまご:今のチームラボは誰もがその社名を知っていると思うのですが当時のチームラボってどんな感じだったんですか?
鈴木さん:全然有名ではないベンチャー企業でした。平均年齢も26歳くらいでしたし。ただチームラボって東大発のベンチャーで当時は東大卒や東大の大学院卒の人が多くて、本当に頭のいい人たちってこんな感じかと圧倒されました。
たまご:つまり他の企業に内定をもらっていたのに新卒ではチームラボに入社したということですよね?
鈴木さん:そうです。3月31日に内定辞退をして4月1日にチームラボに新卒として入社しました。
たまご:すごい大胆なことしたんですね(笑)
学校は多様な人との共生を学ぶ場所
たまご:コロナの影響で多くの人がリモートで授業ができてしまうことに気づいたと思うのですが、今後の学校という概念はどのようになっていくと思いますか?
鈴木さん:短期的に見てと長期的に見てで全然違うと思いますが、短期的にはいままで通りの勉強する場所に戻ると思います。リモート授業や授業動画が発展して、勉強は学校じゃなくても、スマホがあればどこでも出来る、学校も先生も必要ないというような論調があります。
鈴木さん:でも、勉強するより遊んでいたいのって普通だと思うので、子供の頃から自ら勉強したいと思う人なんてほとんどいないと思うんですよね。
たまご:いないですね。
鈴木さん:そういう事を言うのは大体勉強ができる人達≒偏差値が高い人が言っているんですが、偏差値60以上の人って15%しかいないので意見としてはマイノリティなんです。
たまご:そうなんですか?!偏差値60以上の人って全然もっと多い印象です。
鈴木さん:そう感じるのはたまごさんの周りが偏差値60以上の人しかいない環境になっているからです。学校は読み書きそろばんなどの生きていくために最低限必要なスキルを学ぶ場という側面がありますが、それ以外にも多様な人との折り合いの付け方を学ぶ場所という面があります。
鈴木さん:多様な人と出会う機会がなければ色んな人が実際に存在していることにすら気づけないんです。
たまご:私は田舎出身なので中学までは地元の公立中学に通っていたのですが、いとこが東京に住んでいて、小学校の頃から塾に通って中学受験が当たり前。結構小さい頃から同じレベルの人達で分類されているんだなと驚きました。
鈴木さん:そのとおりだと思います。社会に出たらパワハラをする人もいるし、痴漢をする人もいるし、人を平気で騙す人もいる。貧困や差別などで社会的に弱い人もいる。色んな人がいる中でどうにか折り合いをつけて、自分や自分の大切な人を守る術を身につけて生きていかないといけないわけじゃないですか。そういうのが学べる環境をつくれるのが学校なんじゃないかなと思います。
たまご:確かにそのとおりですね。たとえお金持ちの家に生まれて幼稚舎からお嬢様学校に通っていたとしても社会人になったら玉石混交の環境で生き抜かなければならないですよね。
鈴木さん:グローバルになったらなおさらです。人種も違うし言語も違う。育ってきた環境や当たり前だと思っていることが違う中でともに生きていかなければなりません。
たまご:そのために海外留学や海外旅行に行くと視野が広がると言われるんですね。ずっと日本にいたら知らない世界です。日本は島国だからこそ余計に他の文化を排除する考え方が染み付いてしまっているかもしれないです。
鈴木さん:学校という概念がなくなってしまったら世界はもっと殺伐としていくと思います。
高額納税者が反抗して作った町がある?!
鈴木さん:アメリカだと高額納税者が、どうして自分たちのお金が貧乏な人たちに回されているのか納得できなくなった人達だけで新しい町が作られているところがあります。
たまご:もう既に存在するんですか?!確かに私も高額納税者が納得できないだろうなと思ったことは何度もありますが。
鈴木さん:存在しますよ。議会が全員お金持ち出身になってし、税金の使い道を決めてしまえばいいわけですからね。
たまご:そうしたら稼いだお金はすべて自分のものという世界ができあがりますね。稼ぐ能力がある人たちにとっては最高の世界ですよね。
鈴木さん:でもそれが進みすぎてしまうと暴動とかでひっくり返る危険性もあるしそういう世界は僕は優しくないし、生きづらそうだなと思います。なので色んな人が寄り添えるような社会がいいなと思っています。
たまご:絶対王政の生まれ変わりでした(笑)
シングルマザーの平均年収が240万円って知ってますか?
鈴木さん:先日プロジェクトの一貫で『コロナで生まれた社会問題』をテーマに高校生たちとリサーチをしたんですが、コロナで一番被害を受けたのって世界的に見ても女性と子供なんですよ。
たまご:そうだったんですか?
鈴木さん:特にシングルマザーですね。子供が学校に行けなくなって、母親が仕事に行けなくなったからです。
鈴木さん:OECD(経済協力開発機構)の調査では、ひとり親世帯で、なおかつ親が就業している場合の相対的貧困率(全国民の所得の中央値の半分を下回っている割合)は、日本が50%を超えて先進国では頭一つ抜けているんです。そして、ひとり親世帯の9割近くが母子世帯です。
鈴木さん:日本の子供の6人に1人が貧困に苦しんでいてシングルマザーの平均年収って240万円とかですよ。
たまご:240万円?!一人暮らしでもしんどいですよね。それで子供も育てるって想像できないです…。
鈴木さん:このテーマをリサーチした学生が都心の中高一貫の私立の子たちだったんですけど、リサーチした結果として、それが社会問題だと明らかになっても現実問題として想像できないんですよね。
たまご:周りにそういう子がいないからですね!本当に存在するかどうかがわからないんですね。
鈴木さん:そうです。でもそれってだれも悪くないんですよ。その中高一貫の子たちが知らないのはその子たちのせいじゃない。小さい頃から受験して生活水準が同じ子たちとしか出会えないように環境がなっているんだから。
たまご:地元のヤンキーとかいう概念がないんですね。壁殴ってから血だらけで学校来るのに…。
鈴木さん:そういう人たちが存在することをリアルに想像できないと、実際に助けようという動きにはならないですよね。それでは貧富の差がどんどん広がっていく一方ですし、人のもっている優しさとか思いやりが機能しづらい社会構造になっているのだと思います。
たまご:いまのお話を聞いていると学校という概念は長期的に見ると新しいシステムになることが求められているようですね。勉強をする場所ではなく、いろんな人と共生する場所。つまり受験でレベル分けする必要のない学校です。
鈴木さん:そうですね。良い大学に入るためにその仕組に乗る方が効率が良いからみんな頭の良い中高一貫校に入れたがる。
鈴木さん:でも良い大学に入りたいという勉強意欲のある人達は今やYouTubeで授業も受けられるしリモートで塾の勉強をするでも良い。それとは別に、多様な人たちを知る場としての学校が必要になってくるんじゃないかと思っています。
自分の人生を自分で決める経験が大切
たまご:事前にお答え頂いた質問シートで、『人生には気にしなくていいことがたくさんある』と記載されていたと思います。私も小学生の頃に悩んでいたこととか縛られていたことって今考えると本当にどうでも良かったんだなと思うことがたくさんあります。
たまご:鈴木さんが小さい頃に気にしていたこととは具体的にどんなことですか?
鈴木さん:親とか社会、周りの意見ですね。親が正しいということ、学校の先生が正しいと言うこと、世の中で言うエリートコースって本当に気にしなくていい。
鈴木さん:親や先生が生きてきたのって過去だから。自分がこれから進んでいくのが未来なのに過去で成功した人の意見に縛られるのは論理的に考えてもおかしい。
たまご:すごいその考え方!確かに時代はどんどん変わってますもんね。
鈴木さん:僕の小さい頃のことから話すと、親は中高一貫の中学校に入れたくて塾にも通ってたんです。それで僕は親の期待通り中高一貫校に合格できたんです。
鈴木さん:でも僕の地元の中学は通っていた小学校から9割以上がその中学に上がる。だから僕は中高一貫校よりも友達のいる地元の中学に進学したくて。進路を決める三者面談で地元の中学行きます!って宣言したんですよね。
たまご:投資した親からしたら大誤算ですね(笑)
鈴木さん:先生も何のために塾通ってたの??ってなってました。でも受験したのは僕の意思じゃなかったので、勉強はするけど、受験進学はしないよってだけですね。中学から高校に上がるときも、偏差値的には地元の一番頭のいい高校に合格できるレベルだったんです。
鈴木さん:でも中学で卓球部だったんですけど、卓球部で一番仲良かった友達がスカウトされて地元の私立の高校に行くことが決まったんです。その友達に『高校でも一緒に卓球しようぜ』って言われて。同じ高校に一般推薦で進学しました。
たまご:偏差値的には自分のレベルより全然低い学校ということですよね?その選択できるの強いですね。多くの学生が偏差値高いところに入るのが正義だと信じているというのに。
鈴木さん:その後は先程も話したように大学は別にどこでもよくて、たまたま教職課程があったから教員免許をとって、親の許可なしに大学院も受けて、一生安泰だと言われていた大手の内定も蹴って友達と起業してみたいな感じです(笑)
たまご:親御さん大変そうですね…(笑)でも特に子供の頃って学校の選択ってすごく大きな選択だと思うんですけど、その選択を全部大人の意見を聞かずに自分で選択できるというのもすごいことですよね。
鈴木さん:自分の人生を自分で決めるという経験をした方がいいと思っていて、自分の人生を自分で決めた経験がないと幸せになるのは難しいんじゃないかなと僕は思います。
たまご:名言ですね。
人に愛されて、いろんな選択ができる環境を
たまご:一方で、誰もが鈴木さんのように親の言うことを聞かずにうまくいくとは限らないと思うんです。鈴木さんが自分で選択した道に進んでもいいんだと思えたり、その結果成功に導いたりしてくれたものってなんだと思いますか?
鈴木さん:両親にちゃんと愛されていることとか、最後まで自分の味方をしてくれる良い先生に出会うことができたからだと思います。どういう選択をしたとしても親に見放されることはないという感覚はありましたね。
たまご:両親からの愛って本当に大事ですよね。親に全肯定されてきた人と、親に否定されてきた人とではやはり自分自身や自分の行動に対しての自信が違うなと思います。
たまご:だとしたら、多くの人が親に愛される、親が子供のやりたいことを全肯定できる社会を作っていかないといけませんね。
鈴木さん:そうですね。いろんな人に愛される環境、いろんなことを選択できる環境を作っていきたいと思っています。
鈴木さん:ただ、周りを気にしすぎる必要はありません。親や先生など肯定してくれる人が何人かいればいいだけで、応援してくれない人なんてどんどん切っちゃっていいです。
鈴木さん:その選択で自分は幸せになっているか、他の人も幸せにできているかだけを指針にすれば良いと思います。
たまご:自分を応援してくれない人はいつか見返してやればいいですもんね。
鈴木さん:北欧とかだと小さい頃から『自己決定させる』というのが学校の教えのテーマになっています。
鈴木さん:日本は『今日は折り紙をします』とか『今日は数字の勉強をします』とかだと思うんですけど、北欧の学校は『今日君たちは何をしたい?』から授業が始まります。
たまご:いいですね!楽しそうです。その訓練が小さい頃から当たり前にされているって大事ですね。日本は人の言いなりになるのが『いい子』だという印象が小さい頃から植え付けられているのかもしれませんね。
学校に行かないことの何が問題なんですか?
たまご:鈴木さんは学校に行きたくない子どもたちを対象に『新世界への修学旅行』と称して日本中のゲストハウスと連携したツアーを運営していらっしゃるとお聞きしました。
たまご:鈴木さんは学校に行かないという選択はありだと思いますか?また、もし学校に行けない子やその親から、将来が心配だなどの相談を受けたらなんとアドバイスしますか?
鈴木さん:その相談を受けたとしたら、まず『何が問題なんですか?』と質問します。
鈴木さん:学校に行っていないことって実はそんなに問題じゃないんですよね。法律で罰せられるわけでもないし、勉強だったら家でもできるし、認定試験を受ければ大学にも入れるし、友達が欲しいなら他のコミュニティーに入ればいい。
鈴木さん:『何が問題なんですか?』と聞くと、正直何が問題なのかわからずに心配している方が多いですね。
たまご:学校に行きたくない理由は人それぞれですし、学校に行っていないからって必ずしも勉強ができないとか友達がいないわけではないですもんね。
鈴木さん:行けないところに無理に行く必要ないです。学校の代わりにどうやって勉強する?どうやって友達作る?そこを一緒に考えますね。
たまご:それも小さい頃縛られていた固定観念の1つかもしれませんね。私も担任の先生が嫌い過ぎて1週間休んだり、給食残したらダメなのが苦痛で1週間休んだりしてしまうタイプで。それでも学校に行かなきゃという強迫観念で苦しんでいる時期がありました。
鈴木さん:行きたくないところに行く必要なんて全くないですよ。
魅力的な学校で地域活性化 教育の町を作る!
たまご:鈴木さんは教育クリエイターとして様々なプロジェクトを立ち上げていますが、一番最近のプロジェクトで言うと北海道安平町の小中学校建設ですか?
鈴木さん:そうですね。開校は2023年4月の予定なんですけど、小中一貫の義務教育学校を作るプロジェクトをやっています。
鈴木さん:もともとは安平町の町長さんがマニフェストに教育を通したまちづくりの一環として、8年計画くらいで義務教育学校の建設を掲げていました。
鈴木さん:安平町って震度7を記録した3年前の胆振東部地震の震源地なんです。その地震で中学校が使えなくなってしまって計画が前倒しになってすぐに着手せざる負えなくなり、そこのお手伝いをさせていただいているという感じです。
たまご:その学校は通えるのはその校区内の人たちだけということですか?
鈴木さん:そうです。あくまで公立学校なので、税金で作りますから、同じ予算で学校を作るなら魅力的な学校をつくろうと考えています。ここに通うことが目的でこの町に引っ越してきてくれる人が増えたら大成功ですね。
たまご:地域活性化にも繋がるということですね!
教育クリエイター 鈴木健太郎
正論による分断を埋める存在~「何者でもない」人のムーブメントの起こし方 | https://note.com/educationcreator/n/nc42ffcde36f9 |
鈴木さんTwitter | https://twitter.com/momiagematsuge |
鈴木さんFacebook | https://www.facebook.com/suzuki.kentaro.50 |
編集後記
鈴木さんは自分で自分の人生を決めながらも、それができたのは無条件に愛してくれる親がいたこと、自分の味方でいてくれる素敵な先生に出会えたからだと仰っていました。
私もその言葉にとても共感しました。
私は大学で上京してきて、4年間でいろんな事に挑戦してきましたが、それができたのはどんな結果になっても絶対に味方でいてくれる家族がいるという安心感があったからです。
もちろん私も親の言うことをすべて聞いて生きてきたわけではありません。
親の反対を押し切って挑戦したこと、あの時そこに行っていなければ、あの時この子に出会っていなければ今の自分は無かったということもあります。
ただ、親の意見は聞いた上で、自分でどれが正しいのか、どこまでなら失敗しても自分が立ち直れるのかという判断が、自分でできるようになったのは、きっといつも心の中で家族だけには見捨てられないという漠然とした自信があったからなんだろうなと思います。
この鈴木さんの言葉を聞いて、それに改めて気づくことができましたし、その環境があることが当たり前ではないということを知りました。
今回の題名は『自分の人生を自分で決めた経験が人を幸せにする』というものですが、子どもたちがみんながみんなこの生き方をできるには、人に愛される環境でたくさんの選択肢を自分で選べる社会を作って行かなければならないのだとわかりました。
投稿者プロフィール
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美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。
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