教えて!偉い人!【女子大生の社長訪問日記】
デジタル化は数年前から促進されていますが、重い腰を上げなかった会社たちもコロナの影響で動き出すことを余儀なくされました。
このコロナ禍で一層需要が高まっているのがプログラマーです。
優秀なプログラマーの転職市場はもはやオークション状態だとか。
日本のプログラマーの数は現在でも足りていません。
そのせいで人手を海外に頼っている企業も多いです。
しかしそれが進んでしまうと日本の技術力は伸びません。
経済的に置いていかれてしまって『日本沈没』も近い将来あり得るのかも。
このシリーズでは現役就活生の私が現役社長の方々を訪問し、インタビュー形式で社長さんの人生やキャリアの選択方法について語っていただきました。
働き方改革と緊急事態宣言で変わったことはなんですか?
今後の就活生はどこを見て会社を選んだらいいの?
今世紀最大の就活氷河期を生き抜いた私が聞きたかったことをズバズバ聞いてきました。
就活生の皆様、ぜひ参考にしてみてください。
編集担当:たまご
インタビュー日時:2021年8月
夢に日付を入れられる人は実現する
今回インタビューしたのはNeuroTech株式会社の杉野広和社長。
AIを用いた最先端のアプリ開発や、今流行のDXの促進・コンサルティングを行っています。
今後の日本の本当の課題とは何なのでしょうか?
このインタビューを読んで、一人でも多くの人が日本の将来に危機感を持ってくれると嬉しいです。
人材育成制度は完璧です
たまご:まずは御社の事業展開について教えて下さい。
杉野さん:WebシステムやWebアプリの受託開発、それから企業のデジタル化ニーズに答えるいわゆるデジタルトランスフォーメーションです。各企業のデジタル化に関する課題を見極めてAI化などの支援を行っています。
たまご:今話題のDXですね!企業のデジタル化に関するコンサルティングのようなイメージであってますか?
杉野さん:そうですね。コンサルのような感じです。
たまご:御社のアピールポイントを教えて下さい。
杉野さん:弊社は設立から4年が経ちましたが現在社員が10名です。メンバーはとてもコアなメンバーが揃っているなと自負しています。40代以上の方々はITの業界の最先端で活躍してきた人々が多くITの知見を豊富に持っています。
杉野さん:例えばスマホのアプリ開発をしていた方、ゲーム業界から来た方、ブロックチェーンの技術責任者で会社を上場まで導いた方など様々な大きな仕事を経験してきた方々が揃っています。
たまご:上場まで導いたってすごいことですよね。
杉野さん:だからこそ、若手の女性二人はもともとプログラミングは未経験でしたが週に1回上司たちがプログラミングのレッスンをしています。
たまご:未経験で入った方もいらっしゃるんですね。
杉野さん:います。なにか資格を受けるための金銭的手当のみならず、それだけではなかなかプログラミングって身につかないので、実務を交えながら教えていく環境は整っています。
たまご:今ってIT業界が注目を集めていると思うのですが、プログラミングはやはり独学で勉強するのは難しいのでしょうか?
杉野さん:独学はおすすめしないですね。オンライン講習などが最近増えてきてはいるのですがやはり実務を通して学べることの方が全然多いので。独学だと少し偏った知識になってしまって即戦力まで持っていくのは難しいかなと思います。
優秀な人材のオークション状態
たまご:コロナが会社に与えた良い影響、悪い影響はなにかありますか?
杉野さん:良い影響は、弊社の業務の中核であるDXが全世界的に推奨され始めたことです。
たまご:少し前からデジタル化は言われてきましたが、コロナの影響で移行せざるを得なくなりましたもんね。
杉野さん:そうです。日本政府が飲食店などに助成金を出したじゃないですか。それは主に飲食店のデリバリーやネット販売を開始するなどのECに使われたんですね。
たまご:そこで杉野さんの会社がお手伝いするんですね!
杉野さん:はい。それから旅行に行けなくなった代わりにゲーム業界がすごく業績を伸ばしたんです。その面では弊社のアプリ開発の部分も右肩上がりでした。
たまご:飲食店のみならずすべての会社でリモートワークが推奨され始めたので需要はたくさんありますよね。
たまご:反対に悪い影響はなにかありましたか?
杉野さん:採用に関して、即戦力の人材がなかなか転職に乗り気ではなくて有能な人材を自社に引き入れるというのが滞っていることですね。
たまご:経済的に苦しんでいる人がたくさんテレビなどで放映されるのを見ているとみんな自分の今の状態を崩したくなくなったのだと思います。あまりリスキーなギャンブルをしたがらないというか、現状維持が得策だと考える人が今は多いように感じます。
杉野さん:そうなんです。会社もこの時期に有能な人材を手放したくはないでしょうし在宅手当を出すなどして引き止めていますで。
たまご:優秀な人材のオークションみたいになってますね(笑)
杉野さん:でも人材会社は転職市場活発ですよと連絡してくるんですよね。航空業界・旅行業界の業績が悪くなったり下手したらクビを切られた人たちがいるので『CAさん取り放題!』みたいな。
たまご:確かに。杉野さんの会社がほしいIT経験者は今仕事には困っていませんもんね。
日本消滅?!日本が置かれている危機的状況
杉野さん:2025年にはプログラマーの人材不足数は40万人まで増えると言われているんです。今ですら技術者が足りてないのに。
たまご:では下の世代を育てるしかない?
杉野さん:はい。それかもう海外に行くか。
杉野さん:ちょうどこの前大手の富士通が2万人規模で海外に技術者を外注すると発表したんです。
たまご:海外の人しか雇わないということですか?
杉野さん:海外に移転するとのことなので、まあ現地の人を雇うということですね。
たまご:2万人分の人件費が海外に流れるということですよね?
杉野さん:そうです。東アジア・東南アジアなどにお金が流れて、日本国内で今まで下請けを担当していた会社は受注がなくなるわけです。日本にはノウハウも残らない。
たまご:日本がどんどん置いていかれてしまいますね。それに伴って日本の優秀な人たちが外資系の企業に流れたり、そのまま海外に行ってしまったりするじゃないですか。悪循環ですよね。優秀な日本人に日本が見放されてしまってますね(笑)どうにかしないと!
杉野さん:日本は少子高齢化が急速に進んでいるし、経済成長率もどんどん低下しています。
たまご:日本、消える……?
杉野さん:それはないと思いますけど(笑)ユニクロの社長やSoftBankの孫さんなど、日本の大手の会社の代表の方々はみんな口を揃えてこの問題に対する危機感を述べています。
たまご:今のお話を聞いて私もすごく危機を感じています。私が40歳になったとき日本沈没してたらどうしよう…。これって自分事のように危機感を持っている人たちが少ないのも原因ですよね。みんなどこか他人事というか。私は今危機感を持ちましたが自分ひとりの力ではどうにもできないですし。
杉野さん:僕たちのような日本のスタートアップの会社を育てていくしかないなと思っています。
社会情勢の情報が飛び交っている会社
杉野さん:後は日本でエンジニアやマーケティングができる人材を育てていくこと。
杉野さん:プログラミングは世界共通言語ですから。
たまご:そうですよね。言い換えたらプログラミングのスキルさえ持っていれば海外どこに行っても仕事がもらえるってことですよね。
杉野さん:だからこそ、それと同時に英語も身につけておいて損はないと思います。
杉野さん:うちの会社の若手社員が27歳で入社してくれたんですけど、1年間会社とは別で英会話スクールに通っていたらしくて、1年間でプログラミングも書けるようになって今ではお客さんの要望を完璧に形にして提出できるようになっています。
たまご:すごいですね。上達のスピードもですけど、努力を尊敬します。今の自分に何が足りないのかを見極めて行動に移す力が。私はこの資格を取りたい、英語も喋れるようになりたいとかいいながらどの勉強も始まってないので見習おうと思います。
杉野さん:これは僕がこれをやったほうが良いなどと指導したわけではないので本当にすごいですよね。僕は普段から社員を強制するような指示は出しません。その代わりに世の中の動きを声に出してみんなに日々共有するようにしています。
たまご:それ大事です!
杉野さん:プログラマーだろうと経理だろうとそれに縛られずに、視野を広く持っていてほしいです。だから独り言のように大きい声で話してみて入ってきてくれた社員と話したり、話さなくてもそういう会話が飛び交っている環境を作りたいなと思っています。
たまご:私も社長や上司の方々がそれをやってくれているおかげで今ビットコインがいくらでどこの株が買い時でどこの会社がどこを買収したとか結構知識として構築されてます。
自分で自分の価値を値段化できること
杉野さん:それなりに大きいIT企業だとだいたい入社して3ヶ月間みっちり研修してプログラミングの基礎から教えてもらうえるんです。そしてその後さらに3ヶ月は見習いとして働くことになります。でもそれって完全に外の情報からは閉ざされた状態で技術だけを勉強する半年間になるから、それよりは僕は外の動向を見ながら業務するほうが伸びると思います。
杉野さん:僕は社員たちに『商売ができる』『商いのセンスがある』人になってもらいたい。
たまご:一人でお金を生み出すビジネスを作れる人ということですか?
杉野さん:『自分で自分の価値を値段化できる』ということですね。『私はマーケティングの能力では世界の中でこのくらいの価値があるはず。だからいくらで雇って下さい』これが欧米スタイルです。
たまご:かっこいいですね。先日行った社長インタビューでも同じようなお話を聞きました。今の日本はどこの会社に所属しているのかだけを重視する傾向にあるけれど、今後は『どのプロジェクトに携わっていました』『私にはこの能力があります』というのが自分の名刺代わりになる時代が来ると。
杉野さん:企業でも個人でも戦える日本を作っていけたら良いですよね。
たまご:日本人は自己肯定感が低いと思いませんか?先程おっしゃっていた自分の売り込み方として日本人は自分のことを過小評価しすぎてしまって、なかなか自己PRができないのではないかなと感じました。
杉野さん:確かにそうですね。でも今後は自分の価値を数値化できる人が生き残っていくと思いますよ。
たまご:そのためにも普段から良いところを積極的に褒め会える社会になったら良いですね。
IT業界はチームワークが一番重要
たまご:どんな人が御社にマッチしますか?
杉野さん:技術に対してワクワクしてくれる人ですね。技術も結局は人が作り出すものです。エンジニアって一人の世界が好きな人の集まりとか真面目くさい人ばかりというイメージがあるかもしれませんが全然そんなことないです。
杉野さん:一人ではITのものづくりはできませんし、チームでコミュニケーションを取ることが必須です。ただ仕事の内容としてはやはり一人で黙々としなければならない作業が多いので僕は積極的にコミュニケーションが取れる空気づくりを大切にしています。
たまご:先程おっしゃっていた社会の動向を飛び交わせるというお話ですね。
杉野さん:それ以外の雑談でも良い息抜きになるだろうし、たまにエステ行ったりして『あ、それもありなんだ!』っていう縛りすぎない空間というか。
たまご:仕事が大変とか行きたくないなどのマイナスイメージが払拭されますね。
杉野さん:そうそう。何かシステム化することよりもそういう気遣いが大事だなと思います。仕事が上手くいった人がいたら個人的にうなぎをごちそうしたり、行きつけのエステの券を渡して『リフレッシュしてきな』って言ったり。
たまご:そういうことの方が嬉しいです!もちろんノルマを達成したら賞金いくらみたいなルールでもモチベーションは上がるのかもしれないけど。日常の中のワクワク感や幸せというか、サプライズみたいな!それから後輩にも同じようなことができる先輩になろうと思えます。
杉野さん:自分も同じようにしようと思ってくれたらそれで十分です。今はそういった会社の下地を作っているところです。いくら人や会社が大きくなったとしてもそれは続けていきたいカルチャーですね。
毎日15分の継続力が評価に値する
たまご:IT業界が今の就活生には将来性があって人気が高まっています。でも杉野さんのお話を聞いている限り、就活の面接で『IT業界が今後儲かりそうだから働きたい』と言ったところで素人感が否めないと思います。
たまご:IT業界で働きたいと主張するためには学生時代から何が武器を備えておく必要があると思うのですが、学生時代からやっておくべきことは何ですか?
杉野さん:『GitHub』という開発したものを公開できるプラットフォームがあって、そこで自分の作った作品を公開するのはとても良いと思います。
杉野さん:それから毎日身に着けたことをSNSに日記のように投稿するのもおすすめです。自分が積み上げてきたものが公開できることで、独学のように見えてプロの人達が指摘してくれるようになります。そうすると直すべきところがわかります。だからそれをやっていた人たちは即戦力になってくれると思いますよ。
杉野さん:『本気度』が見えることが大事です。
たまご:学生時代になかなかそこまで継続して勉強し続けられる人ってなかなかいないですもんね。4年間の8割遊んでますもん(笑)そのうちの2年でもプログラミングの勉強に費やしていたらその熱意は本物だと思います。
杉野さん:3ヶ月ほどで卒業できるテックキャンプなどのスクールもありますが、一夜漬け感が否めないというか。それよりも日々の日記の方が毎日15分30分の継続が大事。そして継続したことを残すことが大事。
杉野さん:あと、『いつまでにこれを成し遂げます』と公言する。
たまご:どの仕事であれ期限内に仕事を終わらせることは求められますもんね。
たまご:有言実行する力が試されますね。
杉野さん:これを開発しましたと言ってもそれを1年かけてなら誰でもできる、でもそれを1ヶ月でやったのならすごい!となります。
夢に日付を入れられる人は実現する
たまご:最後に就活生へのメッセージをお願いします!
杉野さん:『夢に日付を入れられる人は実現する』と思います。
たまご:名言ですね。
杉野さん:『何年何月何日何時何分何秒に僕はこうなっています』ということができたら必ず叶います。
たまご:明確に想像できる夢は実現すると言いますもんね。その言葉を私はずっと信じています。
杉野さん:SoftBankの孫さんは50年後の自分まで人生マップが明確にできているんです。だから有言実行できるのだと思います。
杉野さん:『何年後にどうなりたいのか』を数字を明確に想像するように意識してみて下さい。
たまご:意識してみます。
杉野さん:あとは『ワクワク感』を持って仕事ができることも大切にしてほしいです。生きていくためではなく。消去法ではない楽しそう!と思えることを仕事にしてほしいです。ワクワク感がモチベーションに繋がるので。
杉野さん:年収やネームバリュー、安定感を求めるのではなく自分が目指している像に向かっている道を見つけて下さい。
杉野さん:目標が明確になっていて今自分が何をしたいのかを伝えてくれればうちの会社でコーチングします。『AI』や『IT』のものづくりの背中は見せられますので。これが会社の役割なのかなと思います。
NeuroTech株式会社 会社概要
会社公式ページ | https://www.neuro-tech.jp/ |
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お仕事のご依頼・ご相談
編集後記
『信じれば夢は必ず叶う』と言いますがそれが夢物語だと思って最初から諦めていませんか?
確かに『いつかこうなってたらいいなあ』くらいでは絶対に叶わないでしょう。
しかし自分の夢を現実にできる人って人前で『いつまでにこうなる!』と明確に期限を設けて宣言できるのです。
それが自分の逃げ場を作らないことに繋がるからかもしれません。
私は昔からプレッシャーを自分にかければかけるほど強くなる性格でした。
だからそれを利用して高校に入学した日の最初の自己紹介で『私は3年後に○○大学に合格します!』と宣言してから高校生活をスタートさせたのです。
全員に宣言した手前、成績を下げるわけにも他の大学のうまい話に乗るなんて逃げは通用せず、そのおかげできちんと有言実行することができました。
成功体験があるからかもしれませんが、私は杉野さんのこの言葉にすごく納得できました。
だからこれからの人生も目標がレベルアップする繰り返しだと思います。
その目標を立てるときに『何月何日までに○○します』と多くの人に宣言することを続けていきたいなと改めて思いました。
そうすれば私は願えば叶えられない夢はないくらい最強になれると思います。
投稿者プロフィール
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美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。
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