テレビに出ているアイドルが歌っている曲や、有名なアーティストの曲がドラマの主題歌になって流行る。
いままでの流行りの曲と言えば、上記のように生まれてきたものが多かったと思います。
しかし現在はTikTokでよく流れる曲、YouTubeの再生回数が多い曲がドラマの主題歌に抜擢されるなど、新しい音楽の誕生の仕方が大きく変わってきています。
この先も上記のSNS以外に、新たな音楽の流行発信源が生まれることでしょう。
そんな移り変わりが激しく、人々の生活彩る音楽業界で活躍していくためには、今後どのようなスキルが求められるのでしょうか?
このシリーズでは1年間就活を経験した私が現役社長や役員の方々を訪問し、インタビュー形式で社長さんの人生やキャリアの選択方法について語っていただきました。
働き方改革と緊急事態宣言で変わったことはなんですか?
今後の就活生はどこを見て仕事を選んだらいいの?
今世紀最大の就活氷河期を生き抜いた私が聞きたかったことをズバズバ聞いてきました。
就活生の皆様、ぜひ参考にしてみてください。
編集担当:たまご
インタビュー日時:2023年4月
アイディアをカタチにできること それが今の音楽業界で生き残る術
今回インタビューさせていただいたのは有限会社TWO FIVE ONEの安田弾社長。
ジャズ・ピアニストだったお父様の後を継いで音楽関連会社を経営、現在はライブハウス4店舗に加え3つの事業を営んでおられます。
対面イベントが肝となるライブハウス事業がコロナ禍に受けた影響と、その打開策。
今後の音楽業界で活躍したい人に求められるスキルなどについてお話を伺ってきました。
コロナ禍がクラブ運営に与えた影響とは?
たまご:今回はよろしくお願いいたします。早速ですが、はじめに安田さんの略歴を教えてください。
安田さん:よろしくお願いいたします。大学を卒業して、最初はアパレルの卸しの会社に入社しました。しかしこの会社が入社して3年目に倒産してしまいまして、そのタイミングで父の会社を継ぐことを決めました。
安田さん:弊社は1994年に設立しまして、今年で31年目になります。現在店舗を4店舗、事業を3つ展開しております。最初は『four_forty』というクラブの立ち上げから始まりました。私の父が設立して5年で代替わりをして今は私が経営しております。
たまご:お父様が1代目なんですね。次に御社のサービス内容について教えてください。
安田さん:すべて音楽ビジネスですね。店舗4つはクラブで、事業はスタジオ運営や音楽コンテンツの制作業務、アーティストのマネジメントまでを弊社で行っております。
たまご:アーティストの方の事務所もやっていらっしゃるんですね。御社の中で音楽コンテンツは制作からキャスティング、配信まですべてできるという形なんですね。
安田さん:そうですね。そこが業界の中でも弊社の強みです。
たまご:御社のクラブ・スタジオなどの運営事業に関しましては2020年からのコロナの影響を顕著に受けた業種なのではないかなと思うのですが、具体的にどのような影響がありましたか?また、その境地をどのように乗り越えましたか?
安田さん:おっしゃる通りコロナの影響はとても顕著に受けました。コロナが流行し始めたのがちょうど2020年の3月でした。そこからもうまる3年になるのですが、対面イベントを主とするクラブ運営の業種は軒並み大打撃だったと思います。
安田さん:クラブ業界は昨年で2019年比の9割の売上が戻ってきて、現在やっと100%近くまで戻ってきたというような感じです。
たまご:2019年比で100%近くまで戻ってきているんですね!クラブイベントはやはり対面であることが必須だと思いますので、その時期は3密の標的ですよね。
安田さん:本当にいろんなことがありました。近隣の方からクラブだというだけで110番されたり、一般の方でもコロナに敏感な方がお店に入って来てまで嫌味を言われたこともありました。
安田さん:当時は常連のお客様は来ていただいていたのですが、イベントに出演する側のアーティストの方やDJの方から、コロナの感染拡大に加担するような仕事はできないと断られてしまって、分裂していましたね。
たまご:想像以上に残酷なことが起こっていたんですね。イベントごとを開催している会社さんはもちろん、飲食店を営む方々も当時は相当な葛藤があったでしょうね。
たまご:そんなコロナ禍でどのようにビジネスを拡大していったのでしょうか?
安田さん:イベントができないとなって、私たちは制作だったり、マネジメント領域に挑戦していきました。
たまご:そのノウハウなどはどこで学んだのでしょうか?
安田さん:当時は勢いでしたね。今のままではコロナに負けてしまうと思ったので、弊社は若くて活気にあふれる社員がたくさんいました。「自分たちでいまできることで何かやってみろ」と宿題を出したんです。彼らは自分たちでゼロ→イチを作るのがうまい。自分たちでデザインしたTシャツを売ってみたり、フリーのアプリでMVを作ってみたり。
たまご:皆さんゼロイチで作ってくるなんてすごいですね。若手の方々がコロナ禍で安全の業界に移行するのではなく、御社に残っていろんなサービスを生み出して発展させて行こうとするパワーがとても素敵だなと思います。
売れるきっかけを作るアイディアを持ってること
たまご:今後会社として安田さんがやってみたいことはなんですか?
安田さん:スーパースターを育てたい。もちろんそのためにはビジュアルも大切ですし、楽曲も大切です。スーパースターを生み出すのに一番大切なことは「売れるきっかけを作るアイディアを持ってること」です。
たまご:今はテレビに出ている人も出身は様々ですよね、TikTokで動画がバズった人もいれば、YouTubeで◯億回再生されて話題になった人など。売れるきっかけにテンプレはない時代だと思いますので、今後一層そのアイディアは大切になって来そうですね。
たまご:私の友達がアイドルをやっていて、舞台やライブがあるときは自分のSNSで告知をして集客をしているのですが、今後もしばらくは個人でSNSを大きくして、自分で集客してというのが主流になるのでしょうか?
安田さん:売れるためには必ずしも集客とは限らないです。SNSのフォロワー数と集客数も比例しているわけではありません。
安田さん:集客よりも、大事なのは我々の業界で言えば「いい曲」です。今の時代は自分たちで作った曲をサブスクにリリースできて、ライブもできる時代です。
たまご:音楽のプロである安田さんの思う「いい曲」の定義とはなんですか?
安田さん:2つあると思っていて、1つ目は歌詞がその時代、時世にはまったもの。例えばAdoさんの「うっせぇわ」とかSEKAI NO OWARIの「Habit」とか。
たまご:歌詞ですね。上記の楽曲はみんなカラオケで共感の嵐ですもんね。
安田さん:2つ目は企業や映像作品とのコラボやタイアップが決まった曲ですね。ドラマの主題歌などはもともと有名なアーティストを起用することもありますが、新しいアーティストの曲をプレゼンして決めるタイプもあります。
たまご:タイアップで決まるというのはすごく影響力がありますね。
一般企業の経験は、会社の規模を拡大する今、大きな動力に
たまご:次に安田さんの学生時代のお話を聞かせてください。
安田さん:子供の頃からサッカー選手になりたくて、ずっとサッカーをやっていました。大学も東京から新潟の大学に進学して、大学でもサッカーをしていました。
たまご:音楽に本格的に目覚めたのはいつ頃だったのでしょうか?
安田さん:大学のときに友達の影響で、DJやラップをやるようになりました。新潟のクラブでイベントを企画して、手書きのフライヤーを作って集客をしてというのをやっていました。
たまご:サークルみたいで楽しそうですね!
たまご:大学のときに普通の就活を経験されたんですよね。
安田さん:はい!アパレルの会社に絞って就活をしていました。ただ最終的に父の会社を継ぐだろうというのは自分の中に当時からあって、3年目で会社の倒産のタイミングで父の会社を継ぐことを決意しました。
たまご:どうして一度一般企業に就職したのでしょうか?
安田さん:父も一度一般の会社でやってみろという考え方でした。やはり私達の業界はスーツで毎朝会社に出社という会社とは働き方が全く違います。父的にも一度一般企業を見てみて欲しいと思ったのだと思います。実際にその経験は今、クラブ運営だけでなく、制作やマネジメント事業をやることになった上で非常に役立っています。
好きなことを仕事にするのにスタートが遅いということはない
たまご:最後に今の就活生へのメッセージと、今後音楽業界で働きたい学生の方々へのメッセージをお願いします。
安田さん:ほとんどの人は好きなことを仕事にはできていないかもしれません。一般的には好きなことが仕事にできればいくら辛くても頑張れるという働き方が向いている人と、仕事内容は好きなことでなくてもお給料の安定などの条件を見て仕事を頑張れる人の二種類に分けられると思います。
安田さん:まずは自分がどっちのタイプなのかを見極めた方が良いです。
安田さん:それで好きなことを仕事として選んだ人に伝えたい、最後まで夢を諦めないで。
たまご:自分がどっちに向いているのか、気づくのは社会人になってからでは遅いと思いますか?
安田さん:上記のことを伝えた上で、もう一つこれも伝えたい、何歳になってもやり直しはいくらでもききます。
たまご:好きなことを仕事にするのにスタートが遅いということはないということですね。
たまご:続いて今後、音楽業界で活躍していきたいと思っている学生たちに向けて、メッセージをお願いします。今後の音楽業界に求められる人材とはどのようなものなのでしょうか?
安田さん:0→1にできる人ですね。クリエイティブに自分のアイディアをかたちにできる人。
安田さん:先程も述べましたが、今は自分たちで音楽を作ってサブスクにリリースすることができ、自分たちでSNSなどでライブが発信できる時代です。だからこそ、自分たちのアイディアを誰かにまかせて形にしてもらうのを待つのではなく、自分たちで形にして発信してみる。それができる能力がよりいっそう求められると思います。
たまご:歌って集客して発信して、をすべて個人でも簡単にできる時代になったからこそ、自分たちで動き始めた人たちから有名になっていく、そのクリエイティブ力が必要とされてきているんですね。音楽の流行り方に新しい常識がどんどん生まれてくるでしょうから、今後の音楽業界が楽しみです!
有限会社トゥーファイブワン 会社概要
会社公式ページ | http://twofiveone.jp/ |
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編集後記
カラオケで入れた曲が「ドラマの主題歌」から「最近TikTokでバズってる曲」になり、年末の大型音楽番組に今年YouTubeで再生回数の多かったアーティストが初登場する。
ここ数年で、このような事象には驚かなくなりました。
今後、流行る曲はどのように登場してくるのでしょうか。
今後の音楽業界で生き残るために必要とされることは「売れるきっかけを作れる」「アイディアをカタチにできる」こと。
どのようなアーティストが誕生してくるのか、今後の音楽業界が楽しみです。
投稿者プロフィール
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美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。
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