教えて!偉い人!【女子大生の社長訪問日記】
音声でCMを覚えていること、ありますよね。
たとえば、地域密着型のCMで最初の一言を言ったらみんなが続きをハモれたり、子供たちが商品や店の前でCMのメロディーを歌いだしたり。
音声は人が情報を認識するときの大部分を占めているんです。
記憶とも深く結びついているため、企業のブランドイメージとして広告の音声はとても重要です。
しかし、芸能事務所に所属した声優さんを起用しようとすると、お金と時間が思ったよりもかなりかかってしまいます。
それを理由に音声なしで、すべて文字起こしをしている会社もあるそうです。
それは非常にもったいない!企業のイメージを植え付ける大きな可能性を無駄にしていることになります。
誰もがもっと手軽にプロの音声素材を活用できるようにと新規事業を立ち上げた社長さんにインタビューに行きました!
このシリーズでは現役就活生の私が現役社長の方々を訪問し、インタビュー形式で社長さんの人生やキャリアの選択方法について語っていただきました。
働き方改革と緊急事態宣言で変わったことはなんですか?
今後の就活生はどこを見て会社を選んだらいいの?
今世紀最大の就活氷河期を生き抜いた私が聞きたかったことをズバズバ聞いてきました。
就活生の皆様、ぜひ参考にしてみてください。
編集担当:たまご
インタビュー日時:2021年11月
『KOEPAL』で声優業界に革新を
今回インタビューさせていただいたのは株式会社スペースファクトリーの増子貴志(ましこたかし)社長。
アフレコやナレーションなどの音声コミュニティーである『SAY-U』の運営と、声優やナレーターさんの音声を手軽に提供しやすくするサービス『KOEPAL』のリリースを控えています。
今後の声優業界や、ビジネスでの音声活用について課題や可能性についてお話を伺ってきました!
新サービス『KOEPAL』今冬リリース
たまご:御社は今冬『KOEPAL』という新たなサービスをリリースされるそうですね。サービスの仕組みに関して簡単にご説明お願いします。
増子さん:今冬リリースの『KOEPAL』は誰もが気軽にネットを通じて音声を発注できるサービスです。インフラ・デバイスの進化に伴いコンテンツもリッチ化が進行しています。今後、ますます高まるであろう音声ニーズを支える中心的なサービスにすべく日々、奮闘中です。
増子さん:現在リリースに向けて開発中です。先行受付も始まっています。
たまご:音声の発注とは具体的にどのようなニーズがあるのでしょうか?
増子さん:たとえば、『会社紹介動画に音声で解説を入れたい』とか『プレゼンテーションに音声を入れたい』と思ったときに、プロの方に依頼するとなると、どれくらい時間がかかるんだろう、どのくらい費用がかかるんだろうか?と一般の方々だと馴染みがなく、音声を入手するまでのハードルが高いと思います。
増子さん:そういった課題に対して、KOEPALでは依頼から納品までをワンストップでオンラインで完結でき、最短24時間で音声素材を提供します。
たまご:24時間ってすごく速いですね!従来の方法で声優事務所を介して依頼しようとするとおおよそどのくらい時間がかかるのでしょうか?
増子さん:依頼をして、声優事務所で人選をして、スタジオを借りて、収録をしてなどを考えると短くても1週間程度はかかると思います。
たまご:それに間に介した人が多い分だけ費用も嵩みますもんね。
たまご:プロの声優さんというのはどこに依頼しているのでしょうか?
増子さん:弊社のサービスの中に『SAY-U』というアプリがあって、アフレココミュニティーなんですけど、1万人以上の声優・ナレーター業に興味のある方々が登録してくれています。
増子さん:そのコミュニティーは遊び感覚でアフレコが好きな人が登録してくださっているという感じなので、その中で仕事意欲の高い方にKOEPALの方でも働いていただこうと考えています。
たまご:アフレコ体験ができるアプリって面白そうですね!
音声効果でブランド想起は24%増?!
たまご:音声の重要性に関してはどのようにお考えですか?
増子さん:音声のAI化も進んで入るのですが、聞きやすさや差別化、臨場感などから肉声がまだまだ求められています。
増子さん:聴覚がどのくらい人間に影響を与えているかというと、『ブランド想起+24%』『関心・購買意欲2倍』『広告理解+28%』という結果が出ています。耳から入ってくる情報というのはヒトが情報を認識する際にとても重要な部分なんです。
増子さん:動画に音声の解説がついていれば仕事をしながら見ることだって可能です。音声をつけることで訴求力が確実にアップします。それなのに、プロの声優さんを使うとなると、専門的な知識が必須となりオーダーまでのハードルが高くなってしまう。
増子さん:だから弊社では『音声』に注目しました。
たまご:企業や商品の印象を音声で覚えていることって確かによくあります!それからオーディオブックというのも今流行っていて、本を仕事をしている間に音声を流しておくことで自然と定着しているとも言われます。人間の記憶と音声って結構密接に関わっているんですね。
増子さん:音声と視覚情報が掛け合わされると理解度は急激に上がります。
増子さん:それから最近、資料のバリアフリー化も叫ばれています。あらゆる資料に音声解説をつけることが求められているんです。
たまご:音声の需要が上がってきているんですね。
クラウドファンディングで事前プロモーション
たまご:資金調達の方法としてクラウドファンディングという方法を用いていらっしゃいましたが、クラウドファンディングを行った理由は何かありますか?
増子さん:弊社が行ったクラウドファンディングのサイトはそもそも投資家として登録をするのに様々な規制があります。過去に投資経験があるのかや、投資家としてきちんと活動しているかなど。
たまご:誰でも募金感覚で参加できるものではないんですね。
増子さん:そこでクラウドファンディングを行うことでサービス開始前からリテラシーの高い投資家さんたちが見ているコミュニティーでサービスをプロモーションできるという目的でクラウドファンディングを行いました。
増子さん:情報感度が高い方々だと思うので、弊社はまだドベンチャーですから、彼らにファンになってもらう良い機会だなと思っていました。
たまご:なるほど!クラウドファンディングと聞くと学生のゼロからの資金集めのイメージをしていたので、クラウドファンディングってそういった使い方があるんですね。
増子さん:実際に投資・経営経験のある方々が最初のユーザーになってくださるというのはとても心強いなと思います。
声優一本でやっていける人を増やす
増子さん:声優についてよく言われていることは、声優になりたいという人は毎年約3万人くらいいて、そこから事務所に所属して活躍できる声優は数百人程度という非常に厳しい業界ということです。
増子さん:日本はアニメーションの影響もあり、文化的に声優になりたいという人の層が厚く、そのクオリティは世界最高峰です。一方で声優業界は人気が高い分、出口が小さい業界の一つでもあり、声優業だけで食べれている人はほんの一握りです。
増子さん:実力があってもなかなか収益に結びついていない方がいるのも現状です。
たまご:声優って難しい世界ですよね。外から見ている分にはとてもキラキラした世界に見えるのですが、レッスン代を払っても一握りしかなれない厳しい世界だと感じました。
たまご:KOEPALの登場で今後声優を目指す子たちの選択肢はどのように変わっていくと思いますか?
増子さん:KOEPALは今後ますます増えるであろう個人、法人の方々の音声ニーズの受け皿になるサービスを目指しており、多くのお仕事をサービスを通じて声優・ナレーターの方々にご依頼する予定です。現在、声優・ナレーションのスキルを持っていてもうまく仕事に結びついていない方々がいたらKOEPALに登録して才能を発揮いただくことも選択肢の一つになれば非常に嬉しいと思っています。
たまご:KOEPALが声優・ナレーターのスキル一本でやっていける人が増えるきっかけになるといいですね。
増子さん:はい、才能がある方はたくさんいますからね。収益につながらないのはとてももったいない。
たまご:きちんと実力を持った人が埋もれない業界になったらいいですね。
増子さん:それからすべてオンラインで完結するので、収録環境がある方にとっては場所に縛られない、新しい働き方も提供できると思っています。
たまご:どこにいても仕事に平等に参加できるようになるんですね。
音声領域の伸びしろを確信したとき
たまご:次に増子さんのキャリア選択についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
増子さん:もちろんです。
たまご:起業する際に声優関係を選択した理由はなんですか?声優業界に関してのびしろを感じたきっかけなどがありましたら教えて下さい。
増子さん:もともと僕は電子書籍の会社にいました。まだガラケーの時代で、電子書籍の黎明期です。紙媒体は絶好調という時期に電子書籍をなんとか軌道に乗せました。
増子さん:そのときに今風に言うとDXのエッセンスが求められるジャンルは他にもたくさんあると確信していました。
増子さん:中でもデジタル化が進んでいない領域ってどこかなと考えたときに素材の作り方や注文の仕方などが複雑で一般の方には理解されにくい領域の一つに音声領域もあると感じていました。
増子さん:たとえば、YouTubeや動画サイト、SNSなどで商品の動画を作って配信したとして、BGMのみの動画と、音声が含まれた動画だと、どちらがCV(コンバージョン)が高いかというと、音声付きの動画ですよね?
増子さん:でも音声をつけたいなと思ったときに、最初に何をしたら良いのか、どれくらいの時間と費用がかかるのか、知識がない方には想像つかないですよね。
たまご:想像つかないですね。何から始めたらいいのかわからなくて結局自分の音声で録画しそうです(笑)
将来的には声優事務所との提携と海外進出も
たまご:子供の頃の夢が映画監督か漫画家と記載されていましたが、将来的に実現させたいなという想いはありますか?
増子さん:そういった仕事にはもちろん興味がありますし、リスペクトもしているので、その方々と一緒に仕事ができることは光栄に思います。だからこそ常に自分のやりたいことに積極的でいたいなとは思っていますね。
たまご:いつかその方々と一緒に仕事をしているうちに夢が叶っていそうですね。
たまご:KOEPALの今後の展望についてはどのようにお考えですか?
増子さん:まずはサービスの認知を図ることと、たくさんの声優・ナレーターさんにKOEPALに参加していただくことを目指します。また、将来的には海外展開も視野に入れています。
たまご:翻訳ですか?
増子さん:そもそも『声優』という言葉が日本特有なんです。海外で日本のアニメの声優さんがイベントをやると熱狂的な海外ファンが集まります。海外の方々に届けるためというのはもちろん、KOEPALでお仕事していただく方にもすでに海外の方もいらっしゃいます。
増子さん:中国語のナレーションや多言語の解説のサービスも行ってきたいなと思っています。ただ、多言語化しすぎると正しいかどうかの確認が大変になる可能性があるのですが(笑)
たまご:アニメの中の子に会える!と言って海外のファンの方が熱狂していた様子をテレビで見たことがあります。日本は声優の専門学校が多いことなど海外に比べると音声媒体は最先端を走っているのかもしれませんね。
最後に残るのはクリエイティブな仕事
たまご:御社は最近は新卒採用を多く取っているとのことですが、新卒に求めることはなんですか?
増子さん:弊社はインターンからプロジェクトの立ち上げまでに携わっている学生も多いです。また、新規事業を作ることが多いので、チャレンジ精神があればどなたでもウェルカムです。
たまご:増子さんも小さい頃、漫画家や映画監督を目指していたとのことですが、学生たちにもそのような世界に憧れのある人は多いと思います。私も憧れていた側の人間なのですが、外から見て憧れているだけでは選択肢が出版社やテレビ局に入社するなど、少ない選択肢しか出てこなくてうまくいかないと思います。
たまご:そういった学生たちはどのように自分のやりたい仕事や環境を見つけていったらいいですか?学生時代に経験しておいた方がいいことなどのアドバイスを頂きたいです!
増子さん:昔よりもルートが多様化しているなと思います。必ずしも最初にどこの業界の会社に入らないといけないということはありません。学生のうちにしておいた方がいいことは、友達をたくさん作っておくことじゃないですかね。
増子さん:エンタメ系の業界ってマニュアルが通用しない事も多い世界です。またAI化が進む中、クリエイティブな部分はこれまで以上に価値が高くなっていくと思います。
増子さん:クリエイティブな部分を高めるためには仲間や先輩にアドバイスを貰ったり、仕事の場を紹介してもらったりなど人と人との出会いが大切になってくると思うので、動くのを止めずに、いろんな人とコミュニケーションを取り続けたら良いと思います。
たまご:特にエンタメ業界は人とのつながりが大事ですよね。情報感度を高く持って、若いうちこそ動き回っておこうと思います。
たまご:最後に就活生へのメッセージをお願いします。
増子さん:新型コロナウイルスの時代を経て新たな日常がスタートしますが、新たな事業、サービスの主役は常に若者からスタートします。自分達が主役であることを意識し、就活に臨めばきっと良い出会いがあると思います。頑張ってください。
たまご:ありがとうございます。それからKOEPALのサービスに興味を持った方々に向けてもメッセージお願いします。
増子さん:11月18日現在、事前登録受付中です。登録いただいた方には限定で50%ディスカウントのコードを付与いたしますので ぜひ、気軽に音声発注を体験ください。また、営業・企画・運営・エンジニアなど多職種で採用を強化予定ですのでご興味ある方はお声がけください。
たまご:一度体験したらハマりそうですね!
株式会社スペースファクトリー 会社概要
会社公式ページ | https://space-factory.co.jp/ |
KOEPAL
KOEPAL公式ページ | https://www.koepal.online/ |
SAY-U
SAY-U公式ページ | https://www.say-u.jp/ |
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編集後記
私の友達に声優を目指している子がいました。
しかし日本に声優を目指している人は山程いて、仕事を貰える人はほんの一握り。
その子の声は周りの人を感動させるくらいの才能があるのにも関わらず、ずっと事務所のレッスン料を払い続けていました。
実際に才能がある人が埋もれてしまう世界。運が良い人だけが有名になれる世界。
KOEPALはそんな声優業界に革命をもたらしてくれるサービスだろうなと強く期待しています。
私は広告の音声の多くに中毒性があるように感じます。
タクシーに乗っているときに前の画面で流れていた音声はタクシーを降りてからも頭から離れずに、唐突に口ずさんでしまうことがあるほどです。
それくらい広告の音声はブランド認知に繋がります。
声優業界の新星がKOEPALから生まれるのが楽しみですね。
投稿者プロフィール
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美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。
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