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日常生活の中で敬語を使う場面は昔よりも少なくなっていますよね。

学校の先輩後輩関係や先生との関係は近くなるばかりで、『敬語』というものを習ったとはいえ、スラスラ使えるほど定着している人はあまりいないのではないでしょうか。

そのまま社会に出て、不自然な敬語のせいで幼稚に思われたり、失礼な奴だと認識されたり。

そんなのもったいないですよね。

OKです!大丈夫です!了解です!

これは正しい敬語ではありません。

その他にも気づかないうちに自分は敬語だと思って使っているおかしな日本語は意外とたくさんあります。

来年から社会人になる学生さん、新卒・第二新卒の方も遅くはありません!

今一度正しい敬語の使い方を勉強しておきましょう。

メールで気を付けたいこと

日常生活の連絡手段は今やLINEかSNSのダイレクトメッセージがほとんど。

メールは洋服屋さんやヘアサロンから一方的に送られてくるだけで自分から送る機会はほとんどありませんよね。

そんな時代に生まれた私達はメールの基礎から学ぶ必要があります。

宛名

メールの宛名は『様』を付けておけばまず間違いはありません。

担当者名がわからない時は『○○株式会社 ○○部御中』や『○○会社 総務ご担当者様』などと表記します。

『先生』は役職名扱いにしないので、『様』の代わりに『先生』と付けるのは正解です。

複数の関係者に一斉に送信する時は『皆様』『各位』を使います。

『各位様』という表現は存在しません。

件名

『お問い合わせ』『お願い』『お知らせ』などの様々なメールに共通する件名では相手方はメールを開いてみないと内容がわかりません。

また自分の名前を件名にするのも好ましくありません。

メールの緊急性も伝わらないため後回しにされてしまう場合もあります。

ビジネスマンは膨大な量のメールを管理しなければならないため、後日そのメールを見返したい時に、内容が題名に入っていないと埋もれて後々検索で引っかかりません。

したがって、メールの件名は『○○日、○○社さんとの会議について』『○○のお見積りに関するお問い合わせ』などと件名を見ただけで内容が分かりやすい言葉を選びましょう。

CCメール

CCメールとは同じ内容を複数の人に向かって送りたい時に使用します。

CC内で送られた人たちは返信する必要はありません。

基本的にCC内に入れられた人たちで共通の話題なので、もし返信をする場合は全員で情報共有をするため『全員に返信』を選択して送信します。

メールの宛先に名前を並べる順番は役職の偉い人順になるように注意しましょう。

また、全員のアドレスが全員に表示されてしまうため、初対面の人同士がCC内に含まれていると、無断でアドレスを公開してしまうことになります。

個人情報保護の問題になりかねないので注意しましょう。

BCCメール

BCCメールがCCメールと異なる点は宛先の名前やアドレスが公開されないことです。

またBCCに含まれている人数がどのくらいなのか受け取った側は確認することができません。

例えば、住所変更や会社変更などの際に宛先に入れた方々全員に一斉送信したい場合に役立ちます。

そのため宛先に入れた人同士は知り合いでなくても何も問題はありません。

メールの冒頭は『皆様』『各位』などと表記しましょう。

セミナーなどのご案内メールの場合は『これはBCCで一斉送信しています。』などの文言が添えてあると更に印象が良いでしょう。

その他の注意点

①1通に1用件

1通のメールに複数の話題を盛り込むと、2つ目以降の内容が忘れられてしまう場合があります。

返信に関しても、一つの内容についてしか返信が書かれていないかもしれません。

それを防ぐためにできる限り1通のメールには1つの用件を心がけましょう。

もし複数の内容を1通のメールにどうしても盛り込まなければならない場合は、用件が変わるところで1行か2行行間をあけます。

そうすると、相手方も内容が変わったことを認識しやすいです。

②長文を控える

携帯で見た時にワンスクロール以上あるメールは見づらいですし、最後まで読む気がなくなります。

大事な用件がどこに書いてあるのかも分かりづらいです。

また、メールに起承転結は必要ありません。

1番大事なこと・結論を最初に書きましょう。

③返信は素早く

メールは他のSNSなどと違って既読が付きません。

開封しただけで満足していては相手方には受け取ったかどうかもわからない状態が続きます。

そのため、内容が熟考しなけらばならない内容であってもまずは受け取った旨の返信をしましょう。

『ご連絡ありがとうございます。弊社で検討いたしまして○○日までにお返事いたします。まずは拝受のご連絡のみにて失礼致します。』

ここで重要なのは、返事をするタイムリミットを記載することです。

相手方も返信が来ただけでは肝心の内容についていつまで返信を待てば良いのが不安になってしまいます。

素早く上記のような返信をした上で、忘れないようにお気に入りに入れておきましょう。

メールの書き出しレパートリー

社内の人へのメールの書き出しとして1番オーソドックスなのは『お疲れ様です』

間違って使いやすい実は目下の人にしか使っては行けないワードは『ご苦労さまです』『お世話さまです』

これを目上の人に向かって使うのは嫌われる原因です。

誰に対しても『お疲れ様です』を多様するのではなく、『お忙しいところ失礼致します』なども適宜使えるといいでしょう。

また『はじめまして』は敬語ではありません。

新しくお仕事が決まった取引先の方に最初のメッセージで『はじめまして』と使うのは適切ではないです。

『初めてご連絡させていただきます』『突然のメールで失礼いたします』などを使いましょう。

上記の挨拶が済んだら本題に入ります。

本題に入る接続詞としては『さて/ところで/さっそく』ですがなどがあります。

『つきましては/ついては』も同じように次から本題に入るときによく使われます。

感謝を伝えたい時

感謝の気持ちを伝えたい時は、語尾は『ありがとうございました』で問題ありません。

その冒頭に『おかげさまで~』や『~様のお力添えのおかげで』などを入れるとより丁寧な印象があります。

『ありがとう』が何度も続いてしまう場合は、『恐れ入ります』『恐縮です』も同じ意味として使えます。

感謝するときには『すみません』と言ってしまうこともありますが、それよりも『ありがとう』を使って表現したほうが相手方へ良い印象を与えることができます。

『嬉しい』という気持ちを伝えたい時には『感激しております』という表現も合わせて使ってみて下さい。

心配してもらった時は『ご配慮ありがとうございます』『ご配慮いただき、感謝申し上げます』などの表現が適切です。

謝罪したい時

また何かを断りたい時、ありますよね。

『お邪魔します』という表現は正しいのですが、『お邪魔できません』というのは間違いです。

断る時は最後に『また機会がありましたらお願いします』などの言葉を付け加えましょう。

『すみません』『ごめんなさい』はビジネスではあまり使わない方が良いとされています。

頼み事をする際に『すみません』と使いたい時は『恐れ入りますが~』という言葉で置き換えましょう。

お願い・催促したい時

①メールの返信が欲しい時

『ご不明な点がございましたら、お手数ではございますがご連絡いただけますでしょうか』

メールを終わらせるタイミングは1往復半がベストだと言われています。

長くなった場合は『何度も申し訳ございません』『度々失礼致します』などと添えると良いでしょう。

②教えてほしい時

基本的に『~してください』という表現は命令口調に当たるので控えたほうが良いとされています。

しかし『教えて下さい』という表現だけは、社内のいつもお世話になっている方々に向かっての場合は1番適切な表現となります。

敬語表現の度合いで行くと、

『教えて下さい』<『教えていただけませんか?』<『教えていただけないでしょうか?』

『ご教授ください』『ご教示ください』『ご査収ください』など、頻出するのに使い分けが難しい表現があります。

『ご教授』は長いスパンで継続的に学問や技術など専門的なスキルを教えてもらう時に用います。

『ご教示』は好ましいことなどプラスの内容を伝えるというニュアンスがあるため、禁止事項などマイナスの意味の内容を伝える際にはふさわしくありません。

最後に『ご査収』は『内容をよく確認してお受取り下さい』という意味が含まれます。

③見てほしい・確認してほしい時

『目を通す』には敬語表現は含まれていません。

目上の方に確認してもらいたい時は『お目通しください』という表現を使います。

また『ご覧になってください』が正しい表現で、『拝見』は自分が見る時に使う謙譲語なので正しくありません。

その他には『ご確認をお願いいたします』『ご一読いただければ幸いです』も同意語として使えます。

④締めのメールの最後の文章

『またご一緒できることを祈っております』『これからもお付き合いいただけることを祈っております』『今後とも何卒よろしくお願いいたします』などを添えると、また仕事をする際に良い印象を与えることができます。

また『何卒よろしくお願いします』と多用する人もいます。

この表現を使う場合には『ぜひともお願いしたい』という強い願望が含まれています。

毎回文末に使うよりかはここぞという時を選んで使いましょう。

了承する時

『了解』という日本語には敬語表現が含まれていません。

したがって『了解です』という返しを目上の方に送ってはいけません。

ちなみに『わかりました』という表現には『言いたいことは理解したが、承知はしていない』という意味が含まれます。

このような了解した旨を伝えたい場合の無難な正しい表現は『承知しました』『かしこまりました』です。

また『大丈夫です』と瞬時に出てしまうことありませんか?

『大丈夫』とは本来危なげがない、間違いないという意味です。

そのため『明日のインタビューの件大丈夫そうですか?』などと使うと本来の意味から外れてしまうことが分かると思います。

『明日のインタビューよろしいでしょうか?』などと確認するようにしましょう。

そして了承するときに『かまいません』は目上の人には使えません。

『結構です』という言葉にも断る意味と了承の意味と2つあるので多用することは控えたほうが良いでしょう。

目上の人を褒めたい時

上司をすごい!と思った時、どのようにその気持ちを伝えたら良いのでしょうか。

普段友達などに使っている表現はほとんどNG表現です。

例えば『やりますね』『見直しました』『感心しました』『参考になりました』『さすがです』

上記表現はすべて目上の方に使うと失礼に当たります。

『やりますね』『見直しました』は『自分が思っていたより能力があるのですね』といったニュアンスを含みます。

『感心した』という表現は目下の人を褒める時の言い回しです。

そして『参考になりました』というのは『自分の考えの足しになりました』という意味です。

似たような表現に『勉強になりました』というのがありますが、これは使って良い表現です。

『さすがです』という表現もなんだか上から目線な気がしますよね。

素直に『尊敬します』『私もそうなりたいです』など素直に思ったことをそのまま言葉にするのが1番心がこもっていて伝わりやすいでしょう。

よりかしこまった表現だと『感服いたしました』『恐れ入りました』が適切です。

困った!こんな時の対処法は?

ここでは上記に当てはまらなかった敬語についてシチュエーション別に疑問を解決していきます。

頑張ります!ってなんて言うの?

『頑張ります!』『努力します!』を多用しすぎると少し幼稚な気がしてしまいますよね。

そんな時にプラスで使える言い回しに『鋭意努力いたします』というものがあります。

『鋭意』というのは『一生懸命取り組む』という意味を持った表現です。

また『精進いたします』のような返答の仕方もあります。

努力表現に関しては、安売りをしすぎると実際にやる気があるかどうかという違った視点で問題が生じてきます。

そういった事態に陥らないためにも、考えて使っていきたい表現です。

知らない、わからない、忘れてしまった時

『知りません』『わかりません』の敬語は『存じておりません』になります。

『知っていますか?』という意味で『ご存知ですか?』と使うことがあると思うのですが、『ご存知ではありません』は自分に対して尊敬語を使ってしまっているので間違っています。

『存じ上げません』はよりかしこまった表現ですが、丁寧すぎるため社内の近しい人に使うのはあまり適していません。

うっかりしていた場合は『失念いたしました』という表現を使いましょう。

失念していた理由(○○の件でバタバタしており、間違って記憶しており、など)を添えて送るとより印象が良くなります。

『聞いていません』『教わっていません』などの表現は絶対に使用してはいけません。

『私の記憶違いかもしれませんが、初めてお聞きすると思います』などの自分にも責任の一端があるかのような表現を使いましょう。

ひらがなって幼稚?どこまで漢字にしたらいいの?

ビジネスメールに難しい漢字を多用することはおすすめできません。

よく使う『ありがとうございます』や『よろしくお願いします』はこの表記がベストです。

また『ください』と『下さい』どう使い分けたら良いのでしょうか?

『下さい』は何かを欲しい時に使います。

例えば『日程を下さい』などがそれに当てはまります。

『ください』はただの丁寧語です。

語尾に付けると丁寧な言葉になります。

以上のように使い分けてください。

お祝い・お見舞いメールで避けたい表現

受験生に向かって『落ちる』や『滑る』を使わないようにするのと同じように、結婚・出産・開業祝いのメールや病気・ケガのお見舞いメールでも使わないほうが良い表現というのがあります。

『重ね重ね』『いよいよ』『とうとう』『もう一度』『続きまして』『まだまだ』

以上の表現はどれも繰り返しを意味するので、お祝い・お見舞いメールにはふさわしくありません。

これらに加えて、結婚の場合は別れに通じる言葉、出産の場合は流・死に通じる言葉、開業の場合は焼ける・終わるに通じる言葉、お見舞いの場合は苦しみや重なることを連想させる言葉は避けましょう。

よく聞くこの表現ってどういうニュアンス?

『痛み入ります』これはフランクに言うと『悪いね、ありがとう』といったニュアンスです。

『遺憾の意を表す』これは『残念に思う』という意味です。

そのため謝罪をする際に使うのは間違っています。

『恐縮』これは『お忙しい中大変恐縮ですが~』などのように『悪いけど、お願いします』という意味で使います。

OKそうでNGな表現

『ご提案いたします』提案しているのは自分なのに提案が『ご提案』となっているのが間違いです。

『折返しお電話下さい』折返しという表現は自分がすぐにかけ直すという意味で使います。そのため、相手に向かってこの表現を使うと『すぐに連絡しろ』というような命令のニュアンスが含まれてしまいます。

『ご質問があります』これはNG表現です。『ご質問はありませんか?』あるいは『質問があります』のどちらかの表現しか使えません。

質問を求める時は、相手が質問するので『ご質問』という表現が使われますが、自分が質問する時の『質問』を『ご質問』とすると自分に対して尊敬語を使っていることになるからです。

『ご遠慮させていただきます』これも敬語が重なりすぎています。

『遠慮させていただきます』『ご遠慮申し上げます』などと言い換えましょう。

編集後記

私は今大学4年生で今年の4月から社会に出て働き始めました。

飲食店などのアルバイト先では連絡手段はLINEが主です。

少しくらい先輩や社員の方に間違った敬語を使っていたとしても、注意されることはありませんでした。

しかし、急に会社で働き始め、社長さん相手にインタビューをするようになり、連絡手段はFaceBookやメールになりました。

普段何気なく使っていたワード、例えば『大丈夫です』『了解です』を送った途端、この敬語は間違っていると上司の方から指摘されました。

すぐに訂正をしようとしても正しい言い換えが瞬時に思いつきません。

その他にも、『最初の文章毎回お世話になっておりますになっているな』『怒ってないのに敬語が堅苦しすぎて怖い文章になってしまう』『この感情絵文字で伝えたい』など、様々な疑問を抱いていました。

これを勉強した今、メールを送る度にビクビクしていた私は自信を持ってメールを送れるようになりました。

皆さんもメールの言い回しが原因で不本意に嫌われることのないように素敵な社会人を目指して頑張りましょう。

投稿者プロフィール

レイニー
レイニー
美容が好きな20代。貯金は美容にかけていることが多いです。
インコのザシアンと一緒に暮らしています。

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